ひとり<ふたり
そして、学校が終わったら秘密基地に行ってまた練習。



家に持って帰るのが面倒だと行ったらリンがあたしにキーボードを買ってくれたの。



しかもあの時のバイト代で!!



超嬉しかったです…。



「なぁ、心なしか寒くねぇか?」

「寒いね…」

「秋だもんな~。エアコン付けるか」



そう言ったマキ君を止めたリン…。



あたしも寒くて指が固まってんだけど…。



「加湿器にしない?」

「どんだけ喉労る気だよ。いまさら…」

「だってコレにかかってんだもん!!俺、早く自分で生きて行けるようになりたい!!」



リンの本気度を改めて感じた…。



やっぱり家に戻る気はないみたいだね…。



みんなリンに根負け。



今日は寒さに耐える覚悟をした。



ん?



ってことは…歌う気なのかな?



やった!!



リンの生歌っ!!



「ねぇ、紅」

「なに?」

「リンってなんか事情あんの?首突っ込んじゃダメだと思って流してるんだけど…」

「白は知らないのか…。リンから聞きな?あたしが言えることじゃない」



ごめんね、白。



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