ひとり<ふたり
ふと机に目を向けた…。



俺の小さい時の写真と…ミズキの写真…。



どうして…。



「私がミズキを殺したんだ…」

「父さん…?」

「林太郎に罪を押し付けて…今更どんな顔して会えって言うんだ…」

「そんなこと…なにも知らない!!」

「父親失格なら…やめてしまえって…。嫌われた方が楽だって…」



なんだよそれ…。



俺…ずっと嫌われてるんだと…。



なんで…そんな顔するんだよ…。



「卑怯者なんだよ…私は…」

「違う…。父さんはミズキを殺してなんかない…。ミズキだって父さんを恨んでない…」

「林太郎…」

「そう教えてくれた人たちと今一緒にいるんです。だから俺は幸せです」

「すまなっ…かった…」

「ミズキの分まで…俺は幸せになりますから。だから父さんももう…責任は感じなくていい…」



崩れるように泣いてた。



なんであんなに嫌いだった父親の気持ちがわかるんだろう…。



この人を慰めても心の傷なんか癒えないのに…。



「お兄ちゃん、ご用事終わったら遊んでくれる?パパ、なんで泣いてるの?どこか痛いの?」

「この子は離しちゃいけない。絶対守りきってくださいね?」



初めて父親に抱きしめられた…。



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