ひとり<ふたり
最近機嫌が悪いことなんてなかったのに…。



リンの重い空気は久しぶり…。



「俺との間に子供できてたんだってさ」

「えっ?」

「転校して別れた後に発覚、中絶したとか言われても今更だってな?」

「その…話しだったの?」

「本当だと思う?責任取れとかさ、俺なにも知らなかったし…」



今更そんな卑怯なこと…。



リンを苦しめないで…。



「ウソか本当かなんてヒメにしかわかんねぇし…。どうしろって言うんだよ…」

「リン、あたし…あの女が死ぬほど嫌い」

「うん」

「ウソだったら絶対許さない!!」

「紅っ!!」



元カノの高校に着く頃には下校時間のはず。



学校に行ってなかったらどうしようとか、そんなことは考えられなかった。



ムカついて仕方なかったから…。



「待てよっ!!」

「待てるわけないっ!!これ以上リンを傷つけさせるのはイヤなのっ!!」

「俺は傷付いてないから!!紅がそばにいてくれれば俺はそれだけで十分なんだよ!!」



リンはそうかもしれないけどあたしはイヤなの。



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