ひとり<ふたり
冷たい布団に入って紅を腕枕した。



髪からするシャンプーの匂いにやたら誘われる…。



やっぱり不安にさせたのか、俺の存在を確認するように抱き着いて来る紅が愛おしい…。



口では言えないってわかってるから俺は無言の紅に応えるように強く抱きしめた。



「チューしたい…」

「紅からして?」



上を向いてチュッとキスされた。



普段こんなことしない紅だからわかる。



まだ不安がってる…。



「俺はどこにも行かないよ~?」

「うん…」

「俺の全ては紅。だから紅から離れたら俺は俺でいられなくなる。意味わかる?」

「なんとなく…」

「じゃあ問題ない。好きだよ、紅」



ギュッと抱き着いたかと思えばスヤスヤ寝始めた。



そろそろ疲れも溜まってる頃だろうし…。



いらぬ負担をかけてごめんね?



でもぶっちゃけ嬉しいのは秘密。



紅ってそんなに俺の事が好きなんだね。



今回のヒメ事件でかなり実感したよ。



おやすみ、紅。



< 285 / 516 >

この作品をシェア

pagetop