ひとり<ふたり
よし、今だ神田っ!!



「既に怖いよぉ~…」

「…………」



なんか言ってやれ~!!



お前をヘタレと呼びそうだ…。



それから昼までふたりの会話はほぼなかった。



全くダメじゃないか君達。



俺と紅のラブっぷりを見せ付けてもダメ。



ふたりで乗り物に乗せてもダメ…。



「おい、お前らなんでしゃべんないんだよ」



紅が遂にキレました…。



これが最高の荒治療かもしれない…。



「紅にはわかんないよ…」

「あたしそんなの知らないもん!!お互い好きなくせになんで意地張ってんの!?梓と神田はあたしの理想だったのに!!」

「えっ!?紅!?」

「もう知らない!!」



紅が泣いた…。



相当別れてほしくなかったみたいで…。



走ってった紅を追い掛けた俺はふたりを置き去りにして来た。



「紅っ!!迷子になるから逃げんな!!」

「うぅぅぅぅ~…。もうダメなのかな…。別れちゃヤダよぉ…」

「そうだね、おいで?」



自販機の横で泣いてる紅を抱きしめた。



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