ひとり<ふたり
俺、お化け嫌いだから入らないよ。



怖いのに自ら行くヤツの気が知れない。



「あたし達も入ろっか」

「紅、あっちにメロン味のソフトクリームがあったよ」

「食べたい…」

「買ってあげるから行こうか」

「うん!!」



よし、なんとかクリア。



ソフトクリームを買ってあげてからお化け屋敷の場所に戻るとちょうどふたりが出て来た。



なんかいい感じ…。



「紅っ!!」



梓が手を繋いだ神田君と駆け寄ってきた。



中でなにがあったかはわからないけどいい顔してる。



「もう1回やり直すことにしたよ!!ねっ!?」

「うん、ありがとう紅チャン」

「大好き!!紅っ!!」



ギュッと抱き着かれた紅はものすごく嬉しそうでまた泣くんじゃないかと思った。



超顔がヤバい。



「よかった…」

「うん、本当にありがと」

「うぅぅぅ~…」

「えっ!?ちょっと…またっ!?なんで!?」



泣いちゃったじゃん。



でもダメ。



紅の泣き顔は俺のだもん。



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