ひとり<ふたり
きっと茶色い髪のマキ君にはなにも言わないはずだし。



あたしはみんなを守る役目がある。



「最低じゃない?」

「髪は女の命なのにねぇ~」

「なんか引くんだけど、アイツ」



クラスの女のコが怒ってる。



ちょっと派手なコとか、学校嫌いのコばっかりのこのクラスで反感買ったらもう終わり。



ヤツの人気はなくなる。



「紅チャン、負けないでね」

「ありがと…」



効果あったかな?



あたしは誰にも負けないから…。



するとリンが拾い集めた髪を教卓に置いた。



リン…?



「紅の髪…返せ」

「な、なんで私が」

「俺らが気にいらないことくらいわかってる!!お前のやったことは教師失格。俺はあんたのこと認めない」



そう言って教室から出て行った。



リン…。



後を追う叶とマキ君。



白は落ちた髪をホウキで履いてくれてる。



「シラけんだけど。みんな楽しくやろうとしてたのに」

「なっ…お前ら…どこに行く気だ!!」

「俺も前からお前に不信感。やり過ぎだろ」



みんなが教室から出てっちゃう…。



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