ひとり<ふたり
そのまま無言で歩いてクラスのみんなが集まってる校舎裏にやって来た。



騒ぎを聞き付けた学年主任の女の先生とクラスの男子が言い合ってる…。



「見ろよあの髪!!いくらなんでも酷いだろ!!」

「安西さん、来なさい」



怒られるのかな、あたし…。



一瞬リンの姿が見えた。



壁に寄り掛かって俯いてる…。



「話しは皆から聞いたから。短い髪もステキね」

「先生…。あたしのせいで皆が怒って…る…。白が…殴っちゃって…どうしよっ…」



泣きたくなんてなかったのに…。



苦しいくらい涙が込み上げる。



ギュッと抱きしめられたあたしはリンの腕の中。



「みんな見てるよ、紅」

「ごめん…リンっ…。白も…みんなもごめんなさいっ」

「大丈夫、紅に怒ってるわけじゃないから。ね?」



白から言われた言葉が胸に突き刺さる。



こうして味方になってくれる人がいるのに…。



あたしのせいで雰囲気悪くなっちゃったよ…。



「安西って泣くんだ…」

「紅チャンカワイイ」

「レアだから写メ撮る?」



みんな…ごめん…。



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