ひとり<ふたり
ブスーッという音が聞こえそうなくらいの顔付きで向かった学校ではクラスのみんなも紅の不機嫌に気付いた。



話し掛けたら殺られそうで…。



「なんとかしろよリン…。マジ恐怖…」

「俺も怖いって…」

「いいからどうにかして来い!!」



クラスメイトにそう言われ仕方なく紅の元へ。



ジィ~っと俺の顔を見てる紅の心の中が読めません…。



謝ったところで許してくれる気がしない…。



「おい、こっち来い」

「誰に向かって言ってんの?」

「お前だ、紅」



ちょっと怖いけど怒ってみたら案外サラッとついて来た。



バンド愛好会の教室に入ってカギをかけてみるとまた感じる視線…。



怖いっス…。



「な、なんなのお前」

「なにがですか」

「その態度だよ!!周りに八つ当たりしてんじゃねぇ」

「あたし、なにも喋ってないし」

「お前の最悪な機嫌の悪さが漏れまくってんだよ」

「誰が悪い?」

「…………俺ですけど?でも別に拒否ったわけじゃねぇし!!お前、そんなに俺が好きなわけ?」



ごめん、調子に乗りすぎた…。



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