ひとり<ふたり
イヤなわけじゃない。



でもあたしがここまで首を突っ込んでいいんだろうか…。



『家族』の問題なのに…。



「あたし行かない方がよくない?」

「紅がそばにいてくれたら…少しは楽になる気がするだけ…」

「イヤなんじゃないよ!?でもあたしって他人だし…」

「立派な家族だもん…」



リンはそう思っててくれたんだ…。



嬉しい半面、ちょっと罪悪感を感じた。



「やっぱり着いて行く。実家ってどこ?」

「新幹線で3時間弱」



遠っ…。



だけどリンの提案で旅行も兼ねることにした。



出発は仕事が忙しくないゴールデンウィーク。



新幹線のチケットと、近くのビジネスホテルを予約した。



旅館はさすがにとれなくて残念…。



仕方なくビジネスホテル…。



手帳に書き込んだリンとの2泊の旅。



悲しい顔は見たくない…。



せめて少しだけでもリンの気が晴れたらいいな…。



その日、リンは髪を切った。



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