ひとり<ふたり
モテないわけがないよね…。



この前の実力テストでもちゃんと5位以内をキープしてたし。



どうしたらリンみたいに要領よくできるんだろ…。



あたしってとことんなにもできない女…。



「ねぇリン」

「なにぃ~?」

「なにがあってもあたしが守ってあげるからね…」

「そんなこと言ったらまた白に怒られるから黙らっしゃい。俺だってそこまで頼んないから」



そうだね~…。



でもリンはあたしが守るもん。



なにもなくお母さんに会えればいいけど…。



それなりの覚悟していかなきゃね…。



それから時間が経ち、ついにリンのお母さんに会いに行く日。



荷物を持ったリンと手を繋いで出発。



「「お土産ヨロシク~」」

「「行ってきまぁす」」


いざ出陣!!



新幹線なんて久しぶりだ…。



深めに被ったキャップから見えるリンの顔は心なしか不安そう…。



ギュッと手を握るとホッとした顔を見せた。



「あたしがいるからね」

「うん、ガム食べる?」

「食べるぅ~!!」



今だけは楽しむっ!!



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