ひとり<ふたり
地元を出発して数時間、久しぶりに見るなつかしい風景…。



小さいころに来たことがある、少し変わってる景色…。



「こっからどうやって行くの?」

「あ、わかんない…」

「とりあえずチェックインしようか」



マジでどうしたらいいのか…。



なんだか何も手につかなくなってきた…。



ホテルは普通のビジネスホテル。



何の変哲もないホテルなのに、俺にはなぜか地獄の入口に見えた…。



もう帰りたい…。



「なんでそんな顔してるの?」

「えっ?」

「悲しい顔しすぎ」

「紅…」

「まぁね、大丈夫だよ。あたしがいるからね」

「紅のたくましさ大好き」



本当に頼りになる…。



紅がいなきゃ俺から会いに来れるなんて思ってもなかった。



よし、悩んでもどうしようもない。



俺はもう前に進みたいんだ。



「先に会いに行こっか」

「大丈夫?」

「平気!!」



俺、マジで頑張る!!



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