ひとり<ふたり
入ってみた小屋には魔女どころか誰もいなかった。



何をするとこなのかわからないけど、たくさんのロープと、小さなテーブル、囲炉裏もあった。



カギがないとこからすると入られてもいいんでしょ?



いいんだよね?



ってか、仕方ないよね?



とにかくお邪魔します…。




「何とか眠れそうだね」

「でも明日帰る予定なのに…」

「こんなとこでそんなこと言ったって仕方ないでしょ」

「誰が秘湯に行こうなんて言い出したの!!」

「はいはい、紅でしょ…」



そうだよね、確実にあたしが言い出したことだよ…。



昨日は高い焼肉食べて夜は今日のためにって思って…イチャイチャしなかったっけ…。



こんなことになるなら温かいホテルで最後の思い出くらい作っとけばよかった…。



もしあたしが先に死んだら…。



「あたしのこと食べていいからね?」

「は?この状況で誘ってんの?」

「やっぱりお前が先に死ね…」

「???」



頭がおかしくなりそうです…。



きっと真っ暗になって電気もなく…ん?



あるじゃん!!



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