ひとり<ふたり
いつの間にか時間は夜の10時を過ぎてた。



リンがさっきからお湯を沸かしてる。



外にあるドラム缶のお風呂に…。



よく知ってたよね、ドラム缶風呂の沸かし方…。



「お嬢さん、お風呂が沸きました!!」

「あたし入るの!?」

「一緒はムリでしょ~。星空キレイだよ?」



この場を楽しんでるようなリンを見てたらあたしも楽しくなってきてしまった。



背を向けたリンをチラチラ確認しながら服を脱いでお風呂に入ってみると、何とも言えない気持ちよさ…。



超アウトドア…。



「もうそっち向いてもいい?」

「いいけどあんまり見ないでね?」



クルッとこっちを向いたリンにちょっと照れた。



なんかこんなシチュエーション、恥ずかしいよ…。



「小屋の中入ってればいいのに…」

「誰か来たら紅の体見られるもん。そんなの絶対イヤだ」

「何それ!!心配性!!」

「キレイだね、紅」



は?



それってかなり卑怯じゃない?



こんなとこでそんなセリフ?



あたし、マジでどうにかなっちゃうよ?



< 375 / 516 >

この作品をシェア

pagetop