ひとり<ふたり
【リン】



初めて父さんに助けられた。



迎えに来た会社の人は、父さんの第二秘書らしい。



俺達が泊まってたビジネスホテルから荷物が運びだされてて、ヘリを降りたあとに高級車に乗ってる。



まずは父さんに電話しなきゃ…。



「本当にありがとうございました!!助かりました…」

「心臓が止まるかと思ったじゃないか…。あそこは本当に危ない場所だったぞ…」

「もう山はこりごりです…」

「まだ休みはあるのか?」

「はい。あと2日は何もなく」

「それなら近くの別荘に泊まるといい。手配はこちらでしておくから」



別荘何てこの辺にあったのか…。



さすが父さん…。



紅の疲れた様子からみても、今日は近場に泊まった方が先決だと思い、父さんの好意に甘えることにした。



「こちらが香山家の別荘でございます」

「「リゾート…」」

「シェフが食事の用意をしますので後はご自由にとのことです」



これって…セレブ…。



昨日の地味なアウトドアがウソのようだ…。



目が輝いてる紅を連れて中に入ると、シェフらしき男の人と、世話してくれる女の人がいた。



なんか昔もこんな感じだったかも…。


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