ひとり<ふたり
英国の庭みたいなバラの咲く場所で紅と紅茶を飲んだ。



これってマジで乙女…。



乙女の紅はカワイイからいいんだけど…。



ちょっと夢見てる感じだよね?



「お花がキレイですね」

「…………」

「お紅茶美味しいですわ」

「…………」




このコ、昨日から頭がどうかしてるんだよ…。



本当に紅ですか?



かなりメルヘンの世界に逝っちゃってる…。



そんな紅をどう扱ったらいいのかわからない俺はひたすら紅をシカトした。



でもひとりでしゃべり続ける彼女を見て、マジで病院に連れて行こうかとも思った。



「リン、カワイイ?」

「カワイイけど…テンション高すぎじゃない?」

「だって嬉しいんだもん。下山できたことが…」

「そっかそっか。いっぱい楽しんでいいよ…」



俺のことはほっといてくれたら嬉しいけどね…。



だってそのテンションについて行ける気がしないから…。



「お風呂入ってこようかな~」

「俺も後で入るから先に入りな?山で汚れてるし」



ニコニコしちゃって…。



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