ひとり<ふたり
ふと気付くと視線を感じた。



葵に見られてる…。



「お姉ちゃんの何がいいの?暴力的で女の子らしくないし」

「そこがいい。でも紅の泣き顔は最高だけど?」

「お姉ちゃんが人前で泣いたの!?あたしだってここ数年泣き顔見てないのに!!」



そんなに強がってんのか…。



本当にカワイくねぇの。



葵はよくいじめられてるらしいけど。



俺は逆に紅をいじめてぇ。



早く俺のために泣いてくれないかな…。



「ねぇリン君。あたし今日帰ってこなくてもいい?」

「どこ行くんだ中学生」

「友達んちだよ!!こんな機会たまにしかないから遊んでこようかなって」

「いいけどなんかあったら俺に連絡!!葵になんかあったらオバサンに顔向けできねぇから」

「ありがとリン君!!大好き!!」



こんな妹がいたら少しは俺も違ってたのかもしれない。



まぁそんなこと言っても後の祭り。



それから着替えてきた紅と外にでた。



行先は服屋。



たくさんのブランドが入ったビルの中。



「あのコカッコよくない?」

「モデルさん!?隣の彼女もカワイイし」



おぉ、外に出ても俺はモテるらしいぞ。



よく逆ナンされるけど。



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