ひとり<ふたり
しばらく尾行してると貸しスタジオへ…。



えっ…。



マジで引き抜きなんじゃ…。



中に入ってひとつの部屋を覗くと…。



髪の長い女の人となにやら親しげに話してる…。



これってまさか浮気と引き抜きのダブル…。



「あの女に持ってかれてたまるか…」

「えっ!?待ちなよお姉っ!!」



バンッとドアを開けるとふたりとも固まった。



マキ君の眉間にシワが寄ってくのが怖い…。



だけど…。



「マキ君最低!!」

「はぁ!?ってかなにしに来たんだよ!!」

「他に移るなんて死んでも許さないからね!!」

「なに…言ってんだ?紅…」

「えっ!?脱退するんじゃ…」



デカいため息をついたマキ君は、恥ずかしそうに語りだした。



みんなに内緒で練習してたんだって…。



で、この人は今日本で有名なギタリストのお姉さんなんだとか…。



「なんでリマの電話に出ないの~!!」

「恥ずかしくて言えるかっての!!俺だって必死なんだ…。お前らに着いて行くのに…」



なんか…ごめん…。



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