ひとり<ふたり
マキのことも自分のことも誰にも言えなかった。



高3になったら進路を決めなきゃいけない…。



だけど…決めなきゃダメなのか?



このまま時間が止まればいいのに…。



いつまでも子供のままでいたい…。



バカみたいに笑って、ただ楽しくて…。



なんでムリに大人にならなきゃいけないんだろう…。



部屋に戻って紅を押し倒した。



「リンっ!?」

「ごめん、なにも言わずに従って…?」

「うん…」



むしゃくしゃしたままで…紅を壊したくなった。



紅は離れて行かせない。



俺が最低な人間になったとしても…。



ひとりはいやだ…。



「なにがあったか話してよ…」

「言えない…」

「あたしに隠し事?」

「ごめん…。もう少し待って…」

「わかった…。できることがあるなら言ってね?」

「じゃ、遠慮なく2ラウンドってことで」

「違っ…あっ…」



どうすりゃいいのかわからない。



俺はどうしたいのかもわからない…。



ただ…みんなでいたいだけなのに…。



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