ひとり<ふたり
不機嫌なマキを呼び出した。



まずは謝ろう…。



「悪かった…」

「へっ!?」

「殴って悪かったな…」

「いや…。俺の方こそごめん…」

「寝れなかった。お前は俺の弟みたいで…なんつーか…ほっとけないから…」

「マキ、俺さ、父さんの後継ごうと思う」

「は…?」



眉間に寄ったシワが怖い…。



でもこれが俺がしてあげられるマキへの恩返しだから…。



「バスターは…」

「抜けようと思ってる」

「許されるわけねぇだろ…。お前が作ったのに!!」



このままじゃまたケンカになってしまう…。



昨日の二の舞だ…。



「今までみんなに助けられてばっかりだったから…。たまには俺も自分の意志で動くよ」

「俺達は…どうすんだよ…。紅は…知ってんのか?」

「まだ知らない。マキにしか言ってない…」

「考え直せよ…」

「マキもね」



胸が苦しい…。



これって逃げ?



それとも裏切り?



だけど俺は…。



マキを救いたいんだ…。



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