ひとり<ふたり
紅にはなんて言い出せばいいのかわからない…。



きっといちばん悲しむ…。



叶はきっと理解してくれると思う。



白はどうだろうか…。



俺達はみんなバラバラになるのかな…。



「話ってなに?」

「叶、白…。俺…歌やめる…」

「「…………」」



なにも言わずに俺の言い分を聞いてくれたふたり。



俺がしゃべり終わった後に口を開いたのは叶だった。



「今まで散々親に苦しめられてきたくせに。また同じ目にあったらどうすんの?」

「…………」

「僕は反対だから。でも…将来のことは僕も考えてる。このままじゃ食べていけなくなるって」



結成してまだ日が浅い。



2曲しか出してない…。



このまま消えることを周りは許してくれるだろうか…。



「待てよ…。勝手なこと言ってんな…」

「白…」

「やんなきゃわかんねぇだろ!!今まで楽しくやって来たのに急に態度変えてんじゃねぇよ!!」

「じゃあ聞くけど、白はこのままでもいいと思ってんの?」

「知るかっ!!」



白が初めてブチ切れた。



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