ひとり<ふたり
それはみんな初めからわかってたこと。



でもこんなに早いのは…やっぱりナシだよね…。



父さんとの電話を終えて、みのりとビーチに座る白に声をかけた。



「ごめん、白…」

「うるせぇよ…。こんなことになるなら初めから夢なんか見せんなよ…。でもリン、俺はお前がいなくても音楽は続けるからな」

「みんなで話し合おうか…」

「だな…」



そのまま紅とは口もきかなかった。



夜になって、全員が俺と紅の部屋に揃う。



泣き腫らした紅の目がまた心を苦しめる…。



「俺はやめたくねぇ」

「俺もマキに賛成」



紅はなにも言わずコクッと頷いた。



叶はただ考え事をしてるようで…。



「後継ぎの話しは今すぐってわけじゃない…。だけどマキとリマが別れるなら俺は続けたくない」

「それは俺達の問題だろ。リンが首突っ込むな」

「認めてもらう努力もしないマキが言うな」

「ケンカ売ってんのかリン…」



俺とマキを押さえたのは叶だった。



珍しく…叶が動く…。



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