ひとり<ふたり
その日、愛音を家に帰そうとして気づいた。



帰ったらひとり?



「パパの執事さんがいるから寂しくないよ!!」



愛音はそう言うけど…。



俺的に可哀相なわけで…。



「今日泊まる?」

「えっ?いいの…?」

「うん、紅と寝たら?俺はソファーでいいからさ」

「やった!!お姉ちゃんと一緒に寝る~!!」



露骨にイヤそうな顔をする紅だけど、それは愛音を嫌いなんじゃなくて節し方がわからないだけ。



父さんに電話して、帰国まで愛音を預かることにした。



2日後に帰るらしい。



「あたしってガキ嫌いみたい…」

「まだ母性が目覚めないだけだよ」

「リンには母性が働くのにな…」



ん~…好き…。



俺も紅にはたくさん父性が働いちゃう。



マジカワイイ…。



「お兄ちゃん、一緒にお風呂入ろ?」

「え゙っ!?それはマズいんじゃないの!?よくわかんないけど…紅と入りな?」

「ダメって言われたもん…」



今までろくに顔も合わせなかった妹と風呂はさすがに気が引けるし…。



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