ひとり<ふたり
紅の笑顔に癒されるし。



大好き過ぎて部屋から出したくないな…。



「紅~!!ご飯~!!」

「ん~…起こして…」

「俺学校だから!!紅は仕事でしょ!?」

「今日は雑誌の紅チャン企画~…」

「はい!!目ぇ開けて!!ご飯っ!!」



母親みたいだな、俺…。



でも紅には優しくしたいし。



甘やかしたくなる。



なんでも言うこと聞いて、お姫様みたいに扱って。



俺にだけ愛を注いでくれたらいくら苦労してもそれは満足。



「行って来るね!!」

「行ってらっしゃい。夕方から打ち合わせだからね!!」

「わかってる!!じゃあね!!」



このままずっとこんな関係が続くと思ってた。



なのに…。



俺が大学2年の冬に事件は起こる。



バスターは順調で、出す曲全て売れ行きは好調。



全く不安なんかなかった。



「リン君っ!!」

「どうしたの?伊藤さんが取り乱してるの珍しい…」

「紅チャンが倒れたっ!!」



頭が真っ白になった。



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