ひとり<ふたり
それは個人個人仕事をしてた時。



俺は音楽雑誌の取材中。



しばらくなにも考えられなくて取材は後日になった。



「倒れたって…?なんで?」

「朝から体調がよくなかったみたいで…。真っ青な顔して…。とにかく病院に行きましょう!!」

「ヤダ…。行かない…」

「リン君っ!!」

「紅が死んだりしたらどうすりゃいいんだよ!!現実なんか見たくねぇ!!」



逃げだそうかと思った。



怖くて手が震えるのを久しぶりに味わう…。



紅になんかあったら俺は…生きる意味すら見失う…。



「リン!!病院行こう!!紅は大丈夫だから!!」

「叶っ…。俺ヤダ…怖いっ…ひとりにはなりたくないっ…」

「大丈夫。紅は弱くないから。貧血とか過労だって」



駆け付けた叶に諭されるように病院に向かった。



ダメだ…。



手の震えが治まらない…。



喉が渇いて来る…。



痛いくらいドキドキしてる心臓…。



紅にもしものことがあったら俺は後を追うかもしれない…。



紅がいない世界なんて…俺は生きてたくない…。



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