ひとり<ふたり
しばらくして部屋に戻ってきたリンは目が笑ってない…。



怖いよ…。



「なんだって?」

「誕生日だからって…」

「そうか。そうか…もうそんな時期か…」



リンの誕生日?



確かリンの誕生日は夏じゃなかった?



マキ君もリンとは相当長い付き合いみたいで、リンのことは理解してるらしい…。



信頼できる友達なんだろうな…。



あたしには言ってくれないリンの闇。



無理に踏み入っちゃいけない場所…。



「俺、バイトだから帰るな?」

「俺もデート!!」



あ、あたしは…。



いつかのようにグッと掴まれた腕…。



「ものは壊さないように!!」

「暴れんなよ~」


ヒラヒラとふたりに手を振り、あたしの腕は離さない。



待ってよ。


なんでそんな危険な発言してから帰るの?



暴れられたらどうしたらいいの?



「キスしたい…」

「あ、はい…」



リンからキスしてくれるまであたしからはしない。



だからリンとのキスは久しぶり…。



荒ッ…。


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