ひとり<ふたり
紅太郎が生まれる前に帰国したうちの両親が手の離れた娘に安心しきって猫屋敷にしちゃった。



孫にもデレデレだけどね。



で、相変わらずなのがあのオバサン。



大嫌いな姑だよ。



「なんで家でもこんな場所でも顔合わせなきゃならないの!?」

「だったらあんたが時間ずらしなよ」

「目上の人間になんて言葉遣いなのかしらっ!!」

「目上じゃなくて目の上のたんこぶの間違いじゃないですかぁ~?」



あたしが通うジムの常連になりやがった。



若作りばっかりしてるから愛音も反抗期なんだよ。



そしてリン。



「悪い、先寝てて!?」

「今日も!?たまには夜ご飯くらいゆっくり…」

「ごめんね!?会議だから!!マジ愛してるよん!!」



立派な跡取りとして日々奮闘中。



まだまだ下っ端なんだけど、実力はあるみたい。



まだ社長は義父。



何度か倒れてて、一回危篤状態になった。



今は病院に通いながらの生活。



先に死なれたらあの女は誰が面倒見るんだよ…。



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