ひとり<ふたり
ウトウトし始めた時、リンがベッドに入ってきた。



背中を向けてるあたしの後ろからギュッと抱きしめてくる…。



「怒ってんの?寝てんの?」

「怒ってんの…」

「なんで?カワイイヤキモチじゃん…」

「うるさい…」



ヤキモチとか言うな…。



期待させるようなこと言うな。



もっとリンのこと好きになったらどう責任とってくれんの。



「紅ってやっぱり暖かい…」

「オヤスミ!!」

「本当に短気だね~…」



リンだってすぐに機嫌悪くなるくせに。



あたしばっかりが短気なんじゃないじゃん!!



イライラしたまま眠りにつくのは至難の業。



水でも飲もうかと思ってベッドを抜け出そうとした。



「どこ行くの!?帰る!?」

「えっ?水飲みに行くだけ…だよ?」

「そっか…。早く戻ってきてね?」



なんでそんな寂しそうに言うの?



こんな時間に帰ったりしないよ…。



水を飲み終えてベッドに戻るとリンが布団の中でうずくまってた。



本当に子供みたい…。



「リン?」

「ん…」



手を広げてあたしを呼ぶから自然とリンの腕の中に入った。



あたしより大きいくせに…どうしてこんなに小さく感じるんだろう…。



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