ひとり<ふたり
そのままふたりで外に出て散歩した。



近くの公園でベンチに座ってコーヒーを飲む。



リンはコーヒーが苦手らしくてあたしに近寄ってこない。



苦手なものいっぱいだね、リンは。



「ねぇ、リンって身長何センチ?」

「178ですけど~」

「カッコイイよね、リン」

「知ってる~。モテるもん」



ブランコに乗りながらオレンジジュースを飲んでる…。



カワイイ…。



女のコがリンにときめく意味がわかるよ…。



顔とか整いすぎ…。



「女のコっぽい顔立ちだよね」

「それ、次言ったら別れるよ」

「へっ?」

「俺、いちばん嫌い。『女のコみたい』って言われんの」



リンの表情がマジだ…。


もう口が裂けても言わない!!



「ごめんね?」

「別に~。ねぇ、紅もおいでよ」

「えっ、恥ずかしいからヤダ」

「なに大人ぶってんの?」



イヤ、この歳になってブランコ全力漕ぎは恥ずかしいでしょ…。



リンだから許されるんだよ、ソレ…。




< 76 / 516 >

この作品をシェア

pagetop