双子は魔法使い!?
そこで言葉を区切った俺に、未来は不安そうな顔をした。

「あの人は、母親だ」

「――母親…?」

初めて聞いた単語のように、未来が言った。

「どんなにひどくても、あの人は俺たちの母親だ。

皮肉ばっか言ってて、まるっきり俺たちのことをわかっていないけど…俺たちの母親は、あの人1人しかいない。

魔法界を探しても、人間界を探しても、母親はあの人だけだ」

俺は目をそらすように、うつむいた。

「それに…母親じゃなかったら、俺たちのことを助けないだろ」

何だかんだ言っても俺たちを心配してるし、何だかんだ言っても助けにくるし。

「俺たちのことを心配してなきゃ、本当に何にもしてこねーよ!」

頬に何かが伝ったが、気にしないことにする。

「――過去ォ…」

未来の目から、涙がボロボロとこぼれ落ちた。
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