双子は魔法使い!?
「今日だけ!

早い話が今だけ!」

そう言った俺に、
「…わかった」

未来は首を縦に振ってうなずくと、人差し指をクルクルと回した。

人差し指を回しながら、地面に向ける。

その瞬間、生徒たちが石像になったかのように止まった。

空を見あげると、飛んでいた鳥も止まっていた。

時計も壊れたかのように止まっている。

「よかった、成功した」

未来がホッと胸をなでおろした。

今動いているのは、俺たち2人だけだ。

「早く先生を探しましょう!」

そう言った未来に、俺たちは校舎の中へと足を踏み入れた。

教室を覗いたり、廊下にいる人たちの顔を見たり、とにかく先生を探し回った。

「職員室にいるのかな?」

俺たちは走って職員室へ向かった。
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