双子は魔法使い!?
「わたしは早乙女くんに利用されてないわ」

淡々とした口調で、後藤が言った。

「むしろ、わたしは早乙女くんを利用したの」

そう言った後藤に、
「はあっ!?」

俺たちの声がそろった。

後藤が早乙女を利用したって、訳がわからないんだけど。

「でも、わかったのなら仕方がないわ。

本物の魔法使いはやっぱり勘が鋭いのね」

後藤はやれやれと言うように息を吐いた。

“本物の魔法使い”って、一体どう言うことなんだ?

その言葉の意味がよくわからなくて、俺たちは口をつぐんだ。

後藤は息を吐くと、
「まだ気づかないの?」

そう言った瞬間、フワリと後藤の躰が浮かんだ。

「――ええっ…!?」

突然の出来事に、どうやって声を出せばいいのかわからない。

「浮遊魔法…?」

未来が呟くように言った。
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