双子は魔法使い!?
そう怒鳴った後藤に、
「だからなのかい?」

俺たち以外の声が聞こえたので見てみると、フェンスのうえにおふくろが座っていた。

月明かりがおふくろの金髪を照らしている。

「この人は誰なの?」

おふくろの姿を見た後藤が質問した。

「私は双子の母親、つまり魔女さ」

そう言った後、おふくろは煙管を口にくわえた。

「最初から姿を消して全てを聞かせてもらったよ」

そう言ったおふくろに、
「あなたは何がしたいのよ」

後藤がおふくろをにらんだ。

「それは、こっちの質問だよ」

そう聞き返したおふくろに、
「えっ…?」

後藤は首を傾げた。

「お前は何が気にいらなくて、何がしたいんだい?」

ふうっと、おふくろは息と共に煙を吐き出した。
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