双子は魔法使い!?
いろいろとつらかったんだと思った。

差別や偏見、イジメや迫害――あげたらどれもかわいそうで、けど何も知らない俺たちには想像しかできない。

母親が魔女で、彼女から魔力を受け継いでしまったことで、後藤は苦しんだ。

死にたいと思った時期もあっただろう。

母親や周囲を恨んだ時期もあっただろう。

「さて…」

おふくろがヒラリとフェンスを降りた。

「どう制裁をしようかね?」

そう言ったおふくろの視線の先を見ると……あ、忘れてた。

早乙女と言う名の存在を、俺たちは忘れていた。

そもそも、対決をすること自体の目的も忘れていた。

俺はバカよね。

おバカさんよね。

某曲で、俺は自分のバカさ加減をごまかした。
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