双子は魔法使い!?
そう言ったとたん、沈黙が流れた。

「あーっ!」

未来が思い出したと言うように叫んだ。

「遅刻!」

「なぬっ!?」

俺たちはバタバタと準備を始めた。

大急ぎで飯とコーヒー牛乳を飲み込み、洗い物を済ませる。

「全く、魔法を使えばいいのに」

慌ただしく用意をする俺たちに対し、おふくろがぼやいた。

「どんなに忙しくても魔法は使いません!」

未来がおふくろに向かって言った。

「未来、遅刻!」

俺は未来の首根っこをつかんだ。

「まだ言うかね」
と、おふくろ。

「あたしたちが話しあって…」

まだ言いたげな未来を引っ張ると、俺はカバンを持って、家を飛び出した。
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