双子は魔法使い!?
「ちょっと、痛いよ!」

「ああ!?」

未来に視線を向けると、彼女は苦しそうな顔で舌を出していた。

俺は彼女の首根っこをつかんでいることを思い出し、慌ててその手を離した。

「あー、苦しかったー!」

ゲホゲホと咳き込みながら、未来が言った。

「苦しい思いをしたくないんだったら、時間を確かめろ!」

そう言った俺に、
「それってキレて言う程なの?」

未来が言った。

訳がわからない姉弟ゲンカをしていたら、俺たちはあっという間に学校についていた。

「よかったー、遅刻じゃなくて!」

「したら困るだろ」

下駄箱でくつを履き替えながら、俺たちがしゃべっていたその時だった。
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