双子は魔法使い!?
人だかりから誰かが抜け出してきた。

「要様、どちらに?」

サラリと黒髪をなびかせた男は、未来が話していた生徒会長だった。

人だかりを抜け、生徒会長は俺たちに近づいてきた。

って、何の用だ!?

眉をひそめている俺をシカトするように、生徒会長は未来の前にひざまずいた。

「はっ?」

一体何が起こったって言うんだ?

未来も驚いたと言うように、目をパチパチさせている。

生徒会長はそんな俺たちに気づいていないと言うように、未来の手をとった。

えっ、今から何するの?

そう思った俺に、生徒会長はチュッと未来の手の甲にキスをした。

うわっ、大胆なことをするな。

そう思った瞬間、生徒会長は顔をあげて未来を見つめた。

その形のいい唇から、とんでもない一言が放たれた。
< 26 / 162 >

この作品をシェア

pagetop