双子は魔法使い!?
「見られちまったなら、仕方ない」

ガラガラにしわがれた声で、魔物が言った。

「生かしておくのは、面倒だからな」

そう言って魔物は、人差し指の爪が飛び抜けて長い右手を前に差し出した。


ガバッ!

俺が飛び起きたのと同時に、見なれた光景が視界に入った。

カチコチと時間を刻む枕元の目覚まし時計に視線を向けると、午前3時を知らせていた。

「――んー、どうしたのよ…」

俺の隣で未来は眠たい目をこすった。

何だ、夢か…。

ふうっと、俺は息を吐いた。

不気味なくらいに、生々しい夢だった。
< 51 / 162 >

この作品をシェア

pagetop