双子は魔法使い!?
「おっと、逃げようたってそうはいかない。

ここは俺が支配している場所だからな。

昨日みたいに簡単に逃げれるとは大間違いだ」

嫌でも耳に入ってくる声がうっとうしい。

魔法を使いたくても、金縛りにあったみたいに躰が動かない。

一体、どうすれば…。

「しかし…まあ、お前さんも趣味が悪いもんだな。

殺人現場を見るなんてよ、悪趣味もいいところだ」

そう言った声に、
「――何が言いたい…」

強気のつもりで言った俺の声はやや震えていた。

「見られちまった以上、簡単に生かす訳にはいかない。

さっさと楽になってもらおうか?」

「――ッ、ぐっ!」

爪にくいこんでいる首筋の痛さがハンパない。

見えないが、そこに血がにじんでいるような気がする。

こいつ、怪力もいいところだな。
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