双子は魔法使い!?
何とかしてこの場を逃れなければ、俺の命はこいつに奪われる。

その時だった。

「ガハッ!」

首筋の痛みが消えたかと思うと、ドサッと音がした。

振り返ると、魔物が倒れていた。

「あたしの弟に手を出すなんて、いい度胸をしてるじゃないの」

その声の主を見てみると、腕を組んで立っている未来がいた。

「過去を殺すんだったら、姉のあたしを倒してからにしなさい!」

倒れている魔物を見下し、強い口調で未来が怒鳴った。

「未来、何で…?」

「あたしが、過去の様子に気づいてないとでも思った?」

淡々とした口調で、未来が言った。

「双子として、当然でしょ?」

未来は得意気に笑いながら言った。

「クソッ、何をする!?」

おぼつかない足で、魔物が立ちあがった。
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