双子は魔法使い!?
ギロリと、鋭い目で俺たちをにらみつけている。

俺たちは身構え、体勢を整えた。

この魔物は一体何をしかけてくるのだろう。

「こうなりゃ2人そろって現実世界に帰す訳にはいかない」

魔物は飛び抜けて長い人差し指の爪を俺たちに見せた。

ピリピリした空気が、俺たちを包み込んだ。

金縛りにあったみたいに、躰が動かない。

呼吸の音だけが、やけに大きく聞こえる。

その時だった。

ジリリリリリリ……!

けたたましい目覚まし時計の音が、場の空気を引き裂いた。


地獄に仏――とでも言えば、正しいのだろうか?

こんな味のないコーヒー牛乳を飲んだのは、初めてだ。
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