双子は魔法使い!?
「薄い紫の煙で迷っていたと思ったら、変なものが出てきた。

一応、人間だとは思う。

けど、性別がよくわからないくらいに顔が焼けただれていて、右手の人差し指に飛び抜けて長い爪があって…」

「ねえ」

俺の話をさえぎるように、クロミさんが言った。

「それって、本当なの?」

表情を固くして、クロミさんは俺を見つめている。

「ええ、まあ…」

そう言った俺に、おふくろの片眉がピクリとあがった。

「ブライア、ね」

呟くように、クロミさんが言った。

「ブライア?」

俺と未来の声がそろった。

さすが双子…って、今はそうじゃなくて!
< 59 / 162 >

この作品をシェア

pagetop