双子は魔法使い!?
呆れてものも言えないって言うのは、まさにこう言う意味だと思った。

何となく、未来が人間界に興味を持ってていたのは薄々だけど感じていた。

双子の弟としての勘もあったけど、それに何より彼女の最近の行動にもあった。

学校図書で借りてくる本が人間界を題材とした本ばかりだったこと。

人間界の流行りものを熱心に調べていたこと。

魔法の勉強をしながら、人間界の勉強もしていたこと。

これら全ての行動を、双子の弟である俺が見逃す訳がない。

と言うか、見逃さないと言う方が間違ってる。

「それ、本気で言ってんの?」

そう聞いた俺に、
「本気と書いて、“マジ”と読む」

未来が答えた。

「何だそりゃ!?」

俺はひっくり返りそうになった。

口では訳がわからないことを抜かしているが、どうやら本気の本気らしい。

「もう1度、考え直せ」

俺は言った。

だって、人間界だぜ?

危険だらけの、あの人間界だぜ?
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