双子は魔法使い!?
「私が知っている限りの話だよ」

紫煙を漂わせ、おふくろが言った。

「まあ、私には関係のないことさ」

そう言うと、おふくろは懐に煙管をしまった。

「せいぜい、ブライアの魔手から逃げることだね」

ふうっと息を吐くと、おふくろが椅子から腰をあげた。

「姉さん、どこへ行くの?

未来と過去を見捨てるつもりなの?」

険しい顔つきで、クロミさんがおふくろに言った。

「どこへ行こうが、私の気まぐれだよ」

「姉さん!」

クロミさんの声も虚しく、おふくろが姿を消した。

俺たちの間に沈黙が流れる。

先に破ったのは、クロミさんだ。
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