双子は魔法使い!?
「大丈夫よ!

姉さんがきっと手をつくしてくれるわ」

明るく言って、クロミさんは俺たちに笑顔を見せた。

「あなたたちのお母さんですもの。

助けてくれるわよ」

クロミさんは子供をあやすように言い、俺たちに向かって優しく微笑んだ。

「それはどうかな?」

忘れることができない、ガラガラのしわがれた声が聞こえた。

「ブライア…!」

クロミさんが怯えた声を出した。

俺たちの目の前にいたのは、黄ばんだ歯を見せて三日月のように唇をあげて笑う魔物が立っていた。

「お前さんたちが助かるとは、それは限らない。

全ては、俺が主導権だからな」

ガハハハッと、ブライアは下品な声で笑った。
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