双子は魔法使い!?
「そんなことないわ!

この子たちは、あなたに渡さないわ!」

強い口調でクロミさんがブライアに怒鳴った。

「あなたみたいな悪魔に、この子たちを絶対に渡さない!」

そう言ってクロミさんは俺たちを守るように両手を広げ、仁王立ちのポーズをした。

未来はブライアとにらみあっていた。

「はっ、しゃれたことを言うもんだな。

そんなに宝な訳か?」

「あなたからして見れば殺人の道具だろうけど、全ての親たちからして見れば子供は宝物も同然よ!」

強い口調で言い返しながら、クロミさんは俺たちをブライアから守ろうとする。

「おもしろい。

だったら、ゲームをしようじゃないか」

ブライアがそう言った瞬間、
「――うっ…!?」

俺たちは強烈な眠気に襲われた。

最後に俺たちが見たものは、勝ち誇ったようなブライアの顔だった。
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