双子は魔法使い!?
首筋に鋭い痛みが走った。

「過去!」

未来とクロミさんが俺の名前を叫んだ。

足元に、鮮血が落ちる。

「――ッ…!」

脈打つような痛みをこらえながら手で首筋を押さえると、ベットリと濡れた感触があった。

「今のは、ほんの序の口だ。

お前さんたちが負けたら、こいつは八つ裂きにされると思え」

下品な笑い声が響いたその時、
「そうはいかないよ!」

怒鳴り声がした。

「パーオー!」

怒鳴り声にあわせるかのように、猛獣の鳴き声もその場に響いた。

「姉さん!」

「ママ!」

未来とクロミさんは嬉しそうに声をあげた。

「ゲゲッ…!」

さっきまで余裕をかましていたブライアの顔が焦ったものに変わった。
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