双子は魔法使い!?
鮮やかな緑色の巨体にフライパンのようなデカい耳、ドラム缶のような足に短いけど鋭そうな牙、地面に届きそうなくらいの長い鼻。

おふくろの隣にいたのは、見あげるほどにデカい巨大動物だった。

その巨大動物に、ブライアは足をガタガタと震えて怯えている。

「夢喰い猛獣、バクだ」

おふくろは煙管をくわえ、勝ち誇った笑みを見せた。

「バッ…!」

言いかけた言葉は何も出てこないくらい、ブライアのヤツは怯えている。

「バクの大好物は悪夢。

つまり、お前のことだよ」

「や、やめてくれ…!」

ガタガタと震える足で、ブライアは後退りをする。

「ほお、犯罪者でも命は惜しいのかい?」

距離をつめるように歩み寄るおふくろとその後をついてくるようにバクがやってくる。
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