双子は魔法使い!?
「やめてくれ…!

何でもする!

何でも言うことを聞く!」

祈るように両手をあわせ、ブライアはおふくろに懇願する。

「何でもするなんて、簡単に言うものじゃないよ。

所詮、私は妹と違って約束を守らない性格だからね」

ふうっと、おふくろは口から煙を吐き出した、。

「特に、犯罪者との約束はね」

そう言ってバクに目をやると、
「お食べ、残さずにね」

「パーオー!」

返事をするようにバクが鼻をあげて鳴いた。

何とも嬉しそうな足取りでブライアに近づくと、長い鼻で彼の躰に巻きついた。

「やめてくれ!

頼む!

わーっ!」

泣き叫ぶ声も虚しく、バクリとたった1口で食べられてしまった。
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