双子は魔法使い!?
「ちょっと待て!」

俺は声のトーンを大きくした。

「何よ」

突然大きな声を出した俺に、未来は不思議そうに言い返した。

「未来が行くんだったら、俺も行く!」

俺は言った。

「どうして?」

未来が聞き返した。

どうしてって、あんたなあ。

その質問に、俺は呆れることしかできなかった。

このド天然の姉が人間界で簡単に1人で生活できるとは思えない。

こいつのことだから、正体を簡単にバラしてしまうのがオチだ。

そうなったら、中世時代に人間界で起こった大事件“魔女狩り”どころの騒動じゃ終わらないだろう。

「俺が一緒に行ったら困るか?」

俺の問いに未来はピクンと片方の眉をあげたが、
「別にいいけど」
と、答えた。

 * * *
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